美術というと、中学の時に毎回デッサンをさせられて、それが人物画だった。描くことの意味や方法のレクチャーは一切なく、ただ短時間のうちにデッサンを仕上げるという方式の授業で、それがどうしても受け入れられなかった。小学生のうちは図工は嫌いではなかったけれど、中学に入ってそれで美術が嫌になった。
でも2005年にたまたま駅の売店で見つけた割引のゴッホ展のチケットを購入してゴッホの自画像を観た。糸杉も、夜のカフェテラスにもであった。美術の教科書に出てくる印刷のものとは全然違う感動のある色遣いだった。
それからチャンスがあれば美術展に行ってみた。シャガールやマチス、北斎も観た。手当たりしだいだ。でも絵が好きになった。ゴッホの絵を観たときの幸福感をどうしてももう一度味わいたかった。
そして、去年、キタムラの鞄を年末に買ったら、水彩画のカレンダーを貰った。職場において毎日観ているうちに自分も絵を描いてみたいと思うようになった。こんな下絵を描いて、こんな風に色を置く、なんてことを考えてみた。
この11月に入って、漸く実行に移した。スケッチブックとホルベインの12色の透明水彩絵の具と、小学生が使うであろう筆、水入れ、パレットを購入して何点か描いている。一番うまく描けたのは庭のローズマリー。育て始めたころは毎日どんな葉が出てくるのか、どんな花がさくのかとしげしげ見ていたから、うまく描けたのかもしれない。(うまく描けたといっても、自作の範囲内だけれど。)
もっと色々庭の植物を描いてみようと思う。育てるだけではわからない、新たな魅力が探し出せるかも知れない。